赤井らいてう日記

東京インディーギターテックLUCKYSOUND
トリプルファイヤーというバンドでベースも弾く
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4thアルバム『FIRE』レコーディング記録

2017年11月2日(木)にトリプルファイヤーの4枚目のアルバム『FIRE』が全国発売になります。転がり続けて、フジロックもタモリ倶楽部も出て、気づけば4枚目です。前作同様、ベースという立場からこちらであれやこれや書いていきたいと思います。

 

まず前提としてはプロフェッサー鳥居によるリズム大革命が勃発し、これまでとは比にならないくらい弾くのが大変な曲が増えました。そこらへんについてはプロフェッサー鳥居のブログを参照 http://notoriious.wpblog.jp/
しかしなんとか食らいついてコンポーザーの要望に応えるのがこちらの務め、と奮起しなるべく努力しました。
もう今更「全然JOY DIVISIONじゃねーじゃん!」みたいな指摘はやめてよね!

今回のRECは2nd『スキルアップ』3rd『エピタフ』の吉田&松石コンビではなく、1st『エキサイティングフラッシュ』の馬場女史にお願いしました。機材置き場?秘密基地みたいなタンゴスタジオ(正式名称なのかは不明)で録りました。

MIXはイリシットツボイさんにお願いしました。
使用したベースはおなじみGIBSON Thunderbird4とFENDER Jazz bassです。スタインバーガーはお休み。

鳥居くんは、こちらもおなじみGIBSON Melody makerとUSAのストラト。RECはストラトの方が多いかもしれない。


それではそろそろ参りましょう。

 

1.中一からやり直したい 

サンダーバード 指弾き
いわゆる変拍子というのはこういうやつのことを言うと思っています。

で、あくまで4/4のなかで3連にしたりシンコペーションしたりアタマを抜いたりして不親切に一筋縄ではいかない感を演出しているだけに過ぎないので自分たちは変拍子じゃないよねと思っているんですがイントロはちょっと意味わかんないですよね。変拍子ではないけどポリリズムではあるというのが一番わかりやすいのか?リズムに関してはOTOTOYの鳥居×澤部対談を読んだ方が理解が深まると思います。
ドシッとした音にしたかったのでサンダーバードにしました。

 

2.人生を変える言葉 

ジャズベース 指弾き
ファンキーナンバーです。なんとなくで我流でやってたミュートをちゃんと覚えようと思い、本など買ってお勉強しました。こういう曲はサンダーバードでも弾けないこともないですが、ジャズべの方が格段に弾きやすいです。

ギターソロはマイコーの「Beat it」みたいにぶっ壊すくらい弾き倒すの面白いんじゃないの、とか勝手に言ってましたがそうはなりませんでした。シマダボーイのパーカッションも輝いています。
「未来はまだ」という歌詞がなんとも吉田らしい。モーサムトーンベンダーは「未来は今」と歌っていたというのに。

 

3.はずれのヘルス嬢 

ジャズベース 指弾き
数少ない吉田曲その1。どうやって作っているのかは知らないけれど最近の吉田の作るリズムパターンは一応4/4ぽいが血が通っていないというか人間味が無いというか、気持ちよくループしないので繰り返して弾くのが単純に難しい。
録音したときは、これ大丈夫なのかと思っていたがミックスされた音源を聞いてみたらツボイさんにより見事に魔法がかけられていました。釣ったばかりの魚を持っていったらきれいに盛られた活け造りになって出てきた、みたいな。

 

4.野球選手になるために 

ジャズベース 指弾き
音価コントロールがカギを握る曲です。
”歌心のあるドラム”とか漠然としたことをよくいうじゃないですか。ベースにとってのそれは音価コントロールだなと、いしだあゆみの「アワーコネクション」を聞いてぼんやり思った2016年でした。

演奏はクールなのに歌詞でなに言ってんだこいつ?!と思わせるのが我々の常套パターンですが、そもそもそれを成立させるためにはクールな演奏が大前提なわけです。
あー、なんかカッコいい曲、踊れる〜と安心して体を揺らしているところにスッと、どうしようもない人間の、どうしようもない言葉を潜りこませて何とも言えない気持ちにさせるわけです。よかったらみなさんも真似してみてください。

 

5.有名な病気 

ジャズベース 親指+人差し指+パームミュート Electro-Harmonix  Q-Tron

上記のミュートの教則本で、右手の小指〜掌の側面をブリッジ周辺の弦に当てるのをパームミュートと呼ぶことを知る。

エレハモのQ-tronをかまし、いい具合の場所に手を置いてサスティンを殺しつつ、スラップというかクラシックギターみたいな構えで弾いています。中指は1弦に触れてミュートしつつピックアップの上に置いています。ポールピースに触れてノイズが出てしまうのでマスキングテープで絶縁しています。


イリシットツボイさんの本領発揮とでもいうようなドス黒い仕上がりをご堪能ください。

 

6.漁師の手 

ジャズベース 指弾き

鳥居くんが一時期ヤフオクで探しまくっていた古いリズムボックスが使われています。詳しくは鳥居くんに聞いてください。
1曲目であんなこと言っておきながら、これは4/4の皮を被った変拍子なのかもしれないんだけど、しれっとダンスナンバー?に仕立てるのは天才鳥居の手腕である。(3拍+3拍+2拍ドドタドドタドタ)感覚としては3拍子が2回続いて、もう1回3拍子が来るのかなと思っていたら1拍抜けてて、アレ?と思う、の繰り返し。ノれるのかノれないのかノせる気はあるのかないのか、なんともイジワルな曲だと思う。
練習のスタジオで自分がこの曲をMOROHAっぽく歌う、というのが個人的に一瞬流行った。しかしもう誰にも見せたくない。

 

7.コインとキノコ 

サンダーバード ピック弾き
細かくパーカッシブなフレーズをピックで弾くのがなかなか難しい一曲。ピック弾きはサンダーバードの方がやりやすい。
ギターは弾けないけどカッティング奏法ってこういう感じなのかなとかイメージしてみたりする。なかなか滑らかに弾けなかったので、この曲の為にピック探しの旅が始まったといっても過言ではない。弦への引っ掛かり具合、ピックの厚さ、表面の質感、先端の形状など気にする点はたくさんある。この曲に使ったピックは多分HISTORYのウルテム。

こちらは一軍のピックたち。


また、それこそカッティングのように右手を忙しく振り、なおかつ1弦から3弦まで上下するフレーズなので、左手での余弦ミュートがキモでもある。ほっておくとボワーっと必要ない音がついてきてしまいます。1弦を人差し指で押さえるときに指先を使うのではなく指を伸ばして第二関節あたりを使って押弦、2〜4弦は触れてミュートします。

こうやって1弦(いちばん下の細い弦)を押さえて弾く。


こちらもアタマがどこなのか分かりにくいイジワルなリズムパターンで、ベースもウラ拍からスマートに入るのがとても大事なので気が抜けない。
最初のレコーディング予定では良いテイクが録れなかったため、別日深夜に延長戦を開催。タム使わないので超シンプルなセット。

 

8.銀行に行った日 

サンダーバード 指弾き Electro-Harmonix  Q-Tron

こちらは6/8の軽快な曲調に吉田のクズマインドがふんだんに盛り付けられた一曲。たまにポリリズム。こちらもリズムボックス使用。サンダーバードのズリっとした音にオートワウをかけている。楽器のサウンドやフレーズのバカっぽさと歌詞のシリアスさが渦を巻いて最終的に何も残らない一曲。
「今日は寝るのが一番よかった」と言っていた人が銀行に行けるようになったのは成長と呼べるのだろうか。

 

9.じじいの同窓会 

サンダーバード ピック弾き
吉田曲その2。こちらもドラムに優しくない非人道的リズムパターンで、人力で通しでのドラム演奏は無理だということになり、キック、スネア、ハットの生の音をサンプリングしてパターン通りに並べました。
ピックは、こちらも感情のこもってない音が出る(と勝手にイメージしている)ジムダンロップの黒いジャズタイプ。「全国大会」もこのピックが合う。

サスティンを減らすのではなく、音を完全に切る方のミュートが重要な曲です。ピック弾きなのでこれも右手のパームミュートをリズミカルかつ的確に弦に当てていきます。「次やったら殴る」の次やったら〜部分でも同じことをやっています。
こちらもはずれのヘルス嬢同様REC時には血の通っていない状態だったが、ツボイさんの手によりクールな仕上がりに生まれ変わっていた。
これから世界に何が起ころうが自分はきっと変な、おとなしいおっさんになるんだろうなあと諦観に包まれていたあいつが、おっさんを通り越してじじいになったときこんなことを考えていたら…と妄想は膨らむばかりです。

2ndアルバム『スキルアップ』収録「ブラッドピット」を聞いてスカート澤部くんは「これはSFですね!」と言ってたわけですが、この曲もある種のSFなのかもしれない。

SFの同窓会といえば藤子Fのパラレル同窓会

 

10.人生を変えた言葉 

サンダーバード 指弾き
聞けばわかると思いますがサビ(?)部分のベースのフレーズが2曲目と同じ、曲のキーもテンポも同じです。裏拍への意識が曲の良しあしを左右する曲です。

10分前くらいに聞いたフレーズが別のトラックでまたやってくるモヤっとした感じは、例えばサザンオールスターズ『KAMAKURA』2枚目における「夕陽に別れを告げて〜メリーゴーランド」「悲しみはメリーゴーランド」や奥田民生『E』の「先週の月曜日」「哀愁の金曜日」「来週の日曜日」を思い出す自分みたいな人もいるかもしれない。そんな曲に一文字違いのタイトルをつけて応える吉田、シンメトリーな曲順配置(あっ、そういえばジャケットもシンメトリー)、すべては意味深に見えて単なる偶然なのかもしれません。

 

11.普通は走り出す 

ジャズベース ピック弾き+パームミュート

マック・デマルコ的なモチャモチャしたベースの音はどうやったら出るのか、という研究の結果、上記の組み合わせに落ち着いた。パームミュートでサスティンは殺しつつ、ピック弾きの立ち上がりとアタック感を活かす。ピックはハマグリみたいなMOONのベース用ピック。このピックは歌モノに合う気がする。あくまでイメージ。


どうやってあんな音を出しているんだろう?と思ったときにすぐ「エフェクター?」と考えちゃうのは良くないのかもしれない。逆に言うと、エフェクター以外の音作り方法というのも無限にあるということ。

 

だらだらと書いて思ったのですが、今作『FIRE』は吉田と鳥居くんの個性がこれまでより一つ上のレベルでぶつかったアルバムなんじゃないかと思いました。そう、いつだってロックバンドのフロントマンとギターの関係性は尊くて不可侵なものなのです。ミックとキース、氷室と布袋、ヒロトとマーシー、YUKIとTAKUYA、ナカコーとジュンジ、ハマケンと星野源、『SING STREET』のコナーとエイモン、はたまた瀧と卓球…?

ともあれベース風情はバンドを後ろから見守り、支えるだけなのです。家計簿をつけたり、ホームページを更新したり…。


それでは、最後に恒例のサンレコ風鳥居くんをお楽しみください

 

トリプルファイヤー「FIRE」

2017年11月2日(木)発売

定価¥2,000+税(税抜価格¥2,000)
WAVE-04 / アクティブの会

http://triplefirefirefire.tumblr.com/music

 

レコ発ワンマンよろしくお願いします。

11月16日(木)恵比寿LIQUIDROOM

トリプルファイヤー『FIRE』発売記念ワンマン”アルティメットパーティー4” 
開場 18:30 開演 19:30
前売 2800円+ドリンク代

ticket ぴあ / e+ / ローソン

| 音楽 | 22:43 | comments(1) | trackbacks(0) |
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こんばんは☆彡
つい最近、ファンになった者です。
トリプルファイヤーの曲では銀行に行った日が一番好きです^^
詩に共感してしまいます(・・;)
Liveに何回かお伺いしたのですが、CDを売っていたり、曲の紙をセットしている山本さんを見て、トリプルファイヤーの縁の下の力持ちなんだと思っていました。
今まで、ベースに注目して見た事は無かったのですが、つい見てしまうほど、ベースの演奏も素敵です。
これからもずっと応援します^^
| こすみれ | 2017/11/01 8:25 PM |









http://mpc1000.jugem.jp/trackback/466

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